こどもの頃は、野球漬けの日々だった。ピッチャーとして9年間。中学では、県大会の準決勝に2回進出した。
チームが勝つためには、全員が同じ方向を向いて努力しなければならない。しかし、一人ひとりが自分なりの考えを持っている。ピッチャーが投げたい球種一つとっても、キャッチャーからすぐに同意を得られるわけではない。
そんな時は、チームが勝つためにお互いに意見を言い合うようにした。自分の意見を押しつけず、ダイレクトに伝わりやすい言葉を選んだ。相手との距離感を見極めながら意見を交わす。そうすることで、自然と、チームは一つにまとまっていった。
「何かを成し遂げるためには、コミュニケーションと、仲間としての一体感が重要だ」。私は、野球を通じてそう学んだ。
仕事も同じだった。土木工事の現場は、一人では到底成り立たない。職人さんたちの協力があってこそだ。チームスポーツのような意識を持ち、全員で同じ方向を見なければ、現場はまとまらないのだ。